さて、前回はIMAXシアターの説明で終わってしまったので、今回は映画の中身に入っていきたいと思う。
その前に、これまでのバットマンシリーズ3部作が何であったのか?を、まとめてみたい。
(すみません、話したい事がたくさんある映画なのです、はい)
というのも、監督クリストファー・ノーランはプロダクションノートでこう語っている。
『ダークナイト伝説を語るうえで僕たちの強い動機づけとなったのは、ブルース・ウェインという
人物の心の旅を描きたいという思いだった。僕はそのことにとてもこだわった。』
つまり、この3部作はブルース・ウェインという大富豪であるひとりの男が、バットマンとして
悪と戦っていく中で、自身の”生きる意味”みたいなものを見いだしていく物語なのである。
理不尽な人間の悪意や貧困によりブルースの両親を殺害されたことにより、ゴッサムシティ−にはびこる
悪を一掃しようとバットマンとして行動を始める。そしてブルース自身、それがミッションだと考える。
(しかしそこに宗教的な表現はされていないので、キリスト教的なメッッセージではないと思われる。)
一言で片付けてしまうと、”試練”。
ビギンズでブルースが見つけたミッションは、”本当に正しいことなのか?”と試される。
この試練を鬼畜の所行で試してくるのが、ヒース・レジャー扮するジョーカー。
”バットマン、おまえの正義感は欺瞞じゃないのか?”と、グイグイくる。
悪に屈しない検事ハービー・デントもジョーカーによって復讐心に支配されたただの殺人者になってしまう。
そしてバットマンはゴッサムには正義が必要とのことからハービーの罪を被り、その名のとおり、
ダークナイト(闇の騎士)となる。
最後にはジョーカーには打ち勝つのだが、同時に迷いも生じてしまう。
自分がいることで、悪を呼び寄せてしまい、自分の大事なひとも犠牲になってしまったじゃないか!と。
そして本作『ダークナイトライジング』である。
ハービーを正義のヒーローにし、バットマンが殺人者となることで、ゴッサムには平和が訪れた。
そうなることで、ブルースは自分のアイデンティティーを見失ってしまい自邸に引き蘢ってしまう。
(もちろんレイチェルを犠牲にしてしまった事の傷心でもある)
8年も・・・
その引き蘢っているブルースのところに、”猫のように”忍び込んできた美しい女が現れる。
その女は、高度な技術でブルースの指紋を採取して、驚くべき身体能力で逃げていく。
ブルースは、”自分の指紋を盗っていくとは、おもしろいじゃないか・・・”と、俄然元気になる。
地下の洞窟(バットケイブ)で、喜々として女を調べているブルースを見てアルフレッドは心配するの
だが…
そして、ダークナイトライジングの幕が上がる。
またしても後編2へ続きます