ロゴデザイン発注時に考えた方がいい事 後編


さて、後編ではまず”ロゴデザインとはどういうものか?”を説明していきます。

下の画像をご覧ください。(クリックで拡大します)

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弊社の名前を違う2つの書体で表しています。
左はシックで高級感があり、右はカジュアルで親しみやすいイメージです。
弊社の商品が高額で、消費者に高級感を持ってもらいたかったら左を採用します。
カジュアルなイメージをもってもらいたかったら右です。
このヴィジュアル表現を使用しないで伝えようとすると、いちいちコピーを併記しないと
ならなくなります。
それはそれでいいのかもしれませんが、媒体のスペースから会社名しか使用できない場合
などもあります。
そういうときにロゴがないと”角ゴシック”とか”明朝”などの打っただけの会社名やブラン
ド名が記されることになります。
その都度バラバラのイメージで記され、意図しないイメージを消費者に与えてしまうこと
になります。
逆に言えば、ロゴは言葉にせずとも、伝えたいイメージを喚起させる機能があるのです。
もっと言えば、

”ロゴを見ただけで、その会社(商品)のイメージが伝わる”

ということが、満たされていないとロゴの意味がないのです。

では、その伝えたいイメージとは何か?

高級ホテルのロゴを思い浮かべてみるとわかりますが、どれも高級感があり、敷居の高さ
さえ感じます。
ホテル側からの自己紹介とでもいいましょうか、
『うちはこういう感じですので、お客様もこういう感じでお願いします。』
と言っているのでしょうね。

金融などのお金を扱う業種なら”信頼感”、”誠実さ”、”落ち着いている”などが挙げられます。
飲食店などの食べ物を扱う業種なら、”清潔感”、”どこの国の料理か”、”親しみやすさ”など
でしょうか。

ただ、これらをそのまま発注時にデザイナーに伝えただけではあまりにも単語からのイメージ
が広過ぎてしまい、その会社固有のイメージは発想しづらくなります。
やはりその会社のこだわり、開業の動機、ターゲット層などいろいろとヒアリングする必要が
あります。

例えば、某携帯電話会社のロゴマークは、坂本龍馬が中心となって作った組織の使用した旗を
モチーフにしたとされています。
これはおそらく社長の心意気(趣味)とモチーフとなった組織のイメージが”既成組織に挑む”
というストーリーを具現化したものだと思います。
こういったパーソナルでもあり、パブリックでもならなくてはならないイメージの具現化作業は
相当膝つきあわせての時間を共有しないとフィニッシュしないことでしょう。

逆に言えば、そこまでこだわりがないものは、最低限の単語の文書からイメージできるもので
いいのかもしれません。
(そんなものはあっていいのか?という青臭い意見は言わない事にしますが…)

というところで冒頭のクラウドソーシングに戻ってみます。

クラウドソーシングのマイナス点として考えられるのは、
・発注者とデザイナーのコミュニケーション不足
・その他の事業や商品などがわからないために相乗効果を期待できない。
・それらの要因から高いクオリティーを期待できない。

デザイン会社に直に発注する場合のマイナス点
・料金が高い(割にクオリティーも低いという最悪の事例も…)
・時間がかかる
・デザイン案の数が少ない

ざっと挙げただけですが、主なものはこれくらいでしょう。

それぞれ良い点と悪い点があり、上手に活用すれば今までにない発注手段を見つけられそうです。

とはいえ、わたしはやはり現在のクラウドソーシングでのロゴデザイン発注には懐疑的です。
広告紙面のヴァリエーションの数増やし、看板にした場合の検証作業作業などといった単純作業
で活用するのはアリかもしれませんが、その会社や商品の根幹になるデザインは、具現化する前
に出来るだけ議論して世界観やイメージの共有を関係者がする必要があります。そこさえキッチ
リしておけばブレない芯のあるものが出来上がります。

ヴィジュアルが出来てくると安心してしまいますが、その前の議論のほうがとても大事です。

長々と書いてしまいましたが、いかがでしたか?
まだまだ書き足らないくらいなんですが、ちょっとでも参考にしていただけたら幸いです。
今後もデザインにまつわる様々なことを取り上げていこうと思いますので、興味のある方は
ご覧ください。

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