映画『華麗なるギャツビー』感想


お越しいただきありがとうございます。
スカイハイプロダクション高橋です。
全くブログを更新しないまま、すっかり夏も終わりを迎えようとしております。

この夏はあまり映画観なかったですねぇ。
今回取り上げる『華麗なるギャツビー』と『風立ちぬ』の2本しか、劇場では観てません。
そんなに食指が動かなかった、というのもあるんですが。
みなさんは何をご覧になりましたか?
”これ観た方がいいよ〜”というものがあったら、コメントにて教えてくださいね。

では、感想にいってみたいと思います。

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【解説】

1974年にロバート・レッドフォード主演で映画化もされた、米作家F・スコット・
フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャツビー」を、「ロミオ+ジュリエット」の
バズ・ラーマン監督&レオナルド・ディカプリオ主演コンビで再映画化。1920年代の
米ニューヨーク、ロングアイランド。宮殿のような豪邸に暮らし、素性も仕事も謎めい
た大富豪のジェイ・ギャツビーは、毎夜のように豪華絢爛なパーティを開いていた。
そんなある日、ギャツビーは、隣人の青年ニックに自らの生い立ちを語り始めるが、
あまりにできすぎた物語に、ニックはギャツビーが何か隠し事をしていると直感する。
やがてギャツビーは上流階級の令嬢デイジーに心ひかれていくが……。ニック役の
トビー・マグワイア、デイジー役のキャリー・マリガンらが共演。

【スタッフ】
監督バズ・ラーマン
製作バズ・ラーマン
キャサリン・マーティン
ダグラス・ウィック
ルーシー・フィッシャー

【キャスト】
レオナルド・ディカプリオ ジェイ・ギャツビー
トビー・マグワイア ニック・キャラウェイ
キャリー・マリガン デイジー・ブキャナン
ジョエル・エドガー トントム・ブキャナン
アイラ・フィッシャー マートル・ウィルソン

【作品データ】
原題 The Great Gatsby
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 142分
映倫区分 G
上映方式 2D/3D
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【感想】
本作、『華麗なるギャツビー』は、長らくアメリカ現代文学の傑作として多くのひとに
読まれている作品が原作となっている。
僕の周りでは、原作を読んだ事のあるひとは少なかった。
ただ、興味深い事に、読んだ事のあるひとの数人は、村上春樹『ノルウェイの森』のな
かで出てくる事で興味を持ち、読んでみたという人がいたことだ。かくゆう僕もそのひ
とりなんだけど。
村上春樹自身も作者のフィッツ・ジェラルドを好んでいて、数冊の翻訳をしている。
他にもレンモンド・チャンドラー、レイモンド・カーヴァーなどを多く翻訳しているが、
どれもがわかりやすい娯楽作品というものではない。登場人物の心の中に、”哀しみ”み
たいな何かを要因として、または原因としたものが物語をドライブさせていく作品が多
いと思う。
本作も成金のギャツビーが抱えるコンプレックスからなる様々な出来事と、エスタブリッ
シュメントとの隔たりを切り取った描写をサラリーマン(新しい形態である労働者=ホワ
イトカラー)が回想するという構造がおもしろいのだと思う。
という原作を監督バズ・ラーマンが映像にするという食い合わせも、とても興味深い。
過去作『ムーランルージュ』も、アンダーグラウンドな風俗であるムーランルージュの踊
り子と売れない作家とのラブストーリーだ。
その2人と仲間たちが貴族を痛快に騙すわけだから本作と構造的に似ている。
本作は、騙すわけではなく裏切られる様がストーリーのピークなんだが…

映画化した点のポイントとしては、

・バズ・ラーマン得意のパーティーシーン(3Dで観てないことが最大の後悔)
THE GREAT GATSBY

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ここで演奏されている音楽が現代のHip Hopだったりするのも、斬新!
映画音楽はジェイ・ZとThe Bullitts(英語版)が製作総指揮した(ウィキペディアより)との
ことなのだが、僕は、ここで深読みをしてみた。ギャツビーは貧しい家の出、HipHopも貧しい黒
人たちがアンダーグラウンドな環境で育んできた音楽、そのバックグラウンドがより一層シーンに
深みを与えている。何より成立させていることが凄い!

・ミスキャストがないので、臨場感が堪らない。
THE GREAT GATSBY

・レオ様の振り返り笑顔(これは一見の価値あり!)
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ここは劇場内、結構笑いが起こっていた。
絶妙な表情の演技です。
しかし何故彼はオスカーがとれないのだろうか。
毎作チャレンジングな役をこなしているし、成立させていると思うのだが…

・キャリー・マリガンの圧倒的な美しさにウットリ…
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彼女のちょっとバカっぽいかんじが今回の役にピッタリ。
ラストのくだりもいくつかの受け取り方がネットでも見受けられるが、打算ではなく上流階級の
人ってほんとうにああいう行動
をとるのだと思う。その”悪びれなさ”が彼女のもつ”バカっぽさ”ととてもフィットしていた。

以上。
これらを含めて、僕はこの作品をとても楽しめた。
十分映像化に成功していると思う。
映像化することで、より深い理解や感情が得られる作品を作る事は本当に難しい事だと
思う。
しいて言えば、シリアスなシーンの重みがちょっとなかったかなぁ〜、ってぼんやり思
うくらい。ほんと、しいて言えばってもの。

ストーリーについては言わずもがななので、置いておく。

ただ、前述しているが、
『上流階級の人たちって、ああいう行動とるのね』
『下々の人もたかるだけたかって、薄情なもんだ』
というコントラストが実によかった。

それと、ラストカットのアレ。
原作にあったか覚えてないが、脚色じゃないかなぁ〜。
ニックのギャツビーに対する”やっぱり変わらぬ気持ち”が、あの一発で表されていて
素晴らしいと思う。

原作もそうなのだけど、この映画版も、観終わってからも何だかジワジワくるものが
あって、またそれが”何だかいい塩梅の考えさせられ具合”なのだ。

これまた冒頭の村上春樹に戻るが、『ライ麦畑でつかまえて』も村上春樹が翻訳した
版がある。『ライ麦〜』も自分がどのタイミングで読むかで感じかたが変わったり、
新たな発見があったりと成長具合のベンチマークとして機能する。
本作『華麗なるギャツビー』も同様じゃないかと思う。

今後も何年か経ってから再度鑑賞してみたいと思う。

  

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